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Life Waves

​〜“話を聴いてもらうこと、
話をすること”その探求〜

『あなたにとってHOMEとは?』

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「ステイ・ホーム」の3年間を経た

私たちにとって、

ホーム(おうち)とは

どういうものなのでしょう?
このプロジェクトでは、
社会の様々な人たちの生の声を聴いて、

私たちは今何を考え、

何を大切に思い、

何をホームとしているのか、

その幅の広さをリサーチし、

ゆっくりと演劇作品を

立ち上げていきます。

私たちが感じている課題

【日本における演劇とは】

演劇とは何でしょう。

あらためて日本における演劇を考えてみると、多様な形態があるものの私たちの生活には根付いているとは言えません。

一般には単に「趣味の 領域」と見なされ、「演劇って難しい」「一部の人が楽しむもの」とい う傾向があります。

その結果、日本では演劇を観るということ自体があまり一般的ではなく、 観劇する文化や習慣が根付いていません。

(参考:2018年文化庁の調査 で日本の観劇率は18.4%、平均して年2〜3回程度)

【海外における演劇とは】

では目を転じ海外で見てみると、取り分け欧米では演劇が生活のなかにしっかりと組み込まれていると言えます。

英国では小学校から演劇的手法を用いた教育が実現し、フランスでも他 者理解の実現手法として学びのなかに深く取り込まれています。各国で、 余暇の過ごし方として、家族で観劇をすることもしばしばです。

欧米では演劇に対する支援や認知が高く、また学校教育や社会教育の一 環としても演劇が重視されており、子どもから大人まで幅広い層が演劇 に関わる機会があります。学校には音楽や美術の先生がいるのと同じよ うに演劇を指導する専門の先生がいて、国立の大学では当たり前のように演劇学部、演劇学科があります。

日本に比べ、諸外国では演劇が文化的・経済的・教育的に重要な役割を果たしています。

【日本における演劇の再発見へ向けて】

日本においても、かつては演劇が集団で創作をするという特性により、 共同体の維持や再生という観点からも大きな役割を果たしてきました。 しかしながら近代化の過程で、文化装置としての役割が共有されなかったこともあり、音楽や美術と違い演劇は国家規模では制度化されてこなかったという現実があります。

その一方で、演劇は人や社会を理解し、関係性を構築するうえでも大きな意義を持っています。

そこで、日本における演劇の可能性を広げ、その社会的役割を再発見するための探求的な創造へ向けた試みを企画します。

何を​めざすのか

もっと自分たちの生活に近い演劇の形があるとしたら、それはどういう形態なのだろうか?

私たちの日常生活に近く、普段の生活の中で出会う人々を描写する。

そしてそれを観ることによって人は、自分がどういう社会に生きているのかを自分に引き寄せ興味深くとらえることが出来る、そんな形態を探求します。

また日常生活で息づく「人」をとらえるプロセスでは、正解を求めるのではなく、精いっぱい生きているあらゆる人を「祝う」という新たな価値観で見つめ直すことへの橋渡しを重視します。

参加メンバーは一人ひとり、自分から積極的にリサーチに出かけてモノローグ を立ち上げるというプロセスを通し、より細かく社会と繋がり、人物造形の奥深さに触れることができます。

こうした探求的なプロセスによる創造を通して、演劇が「もっとも人間らしく生きられるように、人生や社会に多様な豊かさをもたらす」可能性を広げます。

「成功」の形も様々になり、正解は一人ひとりが考えて導き出さなければならなくなった今の時代、このように考えを促す演劇の形は必要不可欠だと考えています。

手法

〇いつがデッドラインで、どのような形の結果を求めているかということから始まるのではなく、「これって何なんだ?」から始まる純粋な探求を行います。

〇「結果」がヒエラルキーのトップではなく、「結果」も「プロセス」も「俳優」「演出」「戯曲」etc.も各々の要素がみな水平線上に存在して、みなでコラボレーションすることから成り立つ演劇形態を探求します。

〇俳優自身がインタビューし、対話や試演などを積み重ね、関係を構築ながら有機的に変化していくプロセスを通して作品につなげていきます。

〇俳優の心と身体を通して聴いた、現実に生きる人々の声や生き方を作品に反映させることで、人間の多様性や社会的な課題について自分ごととして感じ、 共に考える機会とします。

〇参加者に対話や共感を促すとともに、自分の立場や価値観を見直すきっかけを与える作品を創造し、新たな観客層を開拓します。

探求の起点となる質問

『あなたにとってのHome(おうち)とは?』

2020年から3年間にわたるコロナ禍で「ステイ・ホーム」という言葉が溢れましたが、私たちにとっての「ホーム」とは何でしょうか?

子どもからお年寄りまで身近に使っている言葉が、一人ひとりにとってどういうものなのかについて「話を聴いてもらうこと、話をすること」 を探求の起点とします。

3年間のコロナ禍を経て、現在の日本に暮らす人々にとって「ホーム」 とはどういうものか?

捉え方は様々であると想定できますが、実際にどういう言葉が出てくるのか、どういう切り口が存在するのかは人々に会ってみないと分かりません。

多様な人々のありのままの捉え方とそのバリエーションの豊かさに光をあてます。

スケジュール

2023年9月22日(金)に第一弾のワークインプログレスを見せるオープンスタジオを森下スタジオにて開催しました。

このステップを踏まえ、次にドラマの軸を探求するワークショップを数か月間行う予定です。

そのプロセスで物語の種が発見できたら、その後舞台作品を創るプロセスに入ることを考えています。

 

ドラマの軸を探求するワークショップの終わりには、ワークインプログレスの第2弾を開催します。開催時期は2024年4月末から5月初め頃の予定です。

オープンスタジオの様子

2023年9月22日(金)19:00~@セゾンの森下スタジオ

このプロジェクトの関係者や、興味を持って支援してくださっていた方たち20数名を招いて行いました。

【当日の流れ】

<第一部>

企画の説明、私たちが取り組んできた探求の紹介、「あなたにとってHomeとは?」の世界に入るゲーム

<第二部>

メンバーによるインタビューのリーディング

第三部>

参加してくれた方の声を聴く時間

 

発起人

池内美奈子、五十嵐千代

メンバー

薄平広樹、永井茉梨奈、万里紗、竹田まどか、野口俊丞、千代園剛、近藤教子

協力

(公財)セゾン文化財団

 

【参加した方からの感想】

ホームというテーマ、むちゃくちゃ人と話したくなりました。

‶名前、何歳″のような情報が一切なかったことが、むしろ広がりがあって、自分の知ってる誰かを自然に思い浮かべることができて、それが良かったなと思いました。

前半のゲーム、面白かったです。自分と他者の価値観を分かりやすく理解できて、自分に集中したり周りに集中したり、体内のベクトルを感じられて楽しかったです。

各々が喋っている姿を見聞きしていて、それぞれのペースでHomeに近づいていくような感覚がありました。距離感?というか、奥行きというか。そんな近づいていく様を感じられて、おもしろかったです。

ホームレスの人とか、ホームを持ってない人の話も今後聞きたいと思った。

他人が喋っているのに、だんだん自分が喋ってるような印象を持った。

終わった後も多くの参加者さんがスタジオに残り、知っている人や知らない人に声をかけたりかけられたりしながら、それぞれのホームについてお喋りをしていたのがとても印象的でした。みなさまご来場、ありがとうございました。次の段階をお楽しみに!

発起人

池内 美奈子

俳優指導者、演出家、翻訳者

2005年の初年度から2020年まで新国立劇場演劇研修所 ヘッドコーチ

五十嵐 千代
相模原市議会議員4期目、俳優

オフィシャルサイト:https://igarashichiyo.com/

<参考>

『ライフ・ウェイブ』プロジェクトとは

このプロジェクトでは、2022年より演劇を通してより深く社会を捉えるという活動をしています。

第一弾ではアサヒビール社の「責任ある飲酒」プロジェクトに関わり、飲酒問題に関わるさまざ まな立場の人々をインタビューし、プロジェクト・メンバーがそれぞれの人物を理解し、演じることによりこの社会課題の可視化を図っています。

これまでの活動

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